古武道を楽しもう!

日本には素晴らしい武道が数多く存在します。

一般的な武道としては、空手、柔道、剣道、合気道などがよく知られていますが、それ以外にも日本には「古武道」という昔ながらの武道が存在しています。

古武道とは明治維新以前に成立した武道の総称で、表舞台で取り上げられる事は少ないのですが、実に数多くの流派があり今なお各地で稽古され逞しく息づいています。

剣術はもとより、居合、槍、棒、杖、弓、柔術、忍術など実に個性的であり多種多様です。


現代武道が人間育成と体育的視点から心身の鍛錬を目的として、スポーツ競技化することにより世界に広まり、時代とともに進化を遂げていくのに対し、古武道は昔ながらのスタイルを保ち、試合での勝敗を目的とせず、本来の合戦や護身・決闘など実際の戦闘に重きを置いていると言われていますが、昔ながらのスタイルであるが故、時代にそぐわない部分があるのもまた事実です。

現代においては残念ながら古武道人口自体が少なく、その文化的保存が主な目的となってしまっている現状もあります。

しかしだからこそ本当に好きな人たちの密度が高く、中にはとびぬけて常人離れした技を持つ先生方もいっらっしゃるのもこれまた事実で、人間の可能性の大きさをかんじさせてくれます。


古武道を習得している人が少ないからこそ、現代においては逆に希少で個性的ともいえるのではないでしょうか。


東京オリンピックを控え日本ブームが盛り上がりを見せる中、古武道はその希少性と個性的な技を通して、西洋化された現代のスタイルとはまた一味違った日本古来の身体文化である古武道は、国内はもとより海外からも大変注目されています。


日本文化のひとつとしてだけでなく、大人の趣味としても古武道はなかなか面白いものだと思います。


大東流合気柔術もそんな古武道のひとつで、会津藩の上級武士にのみ極秘裏に伝えられたと云われ、中興の祖と云われる武田惣角によって明治~大正期に各地を旅しながら全国に広められました。

惣角自身はもともと最後の武士のひとりでもあり剣術の達人でもありましたが、これからは剣の時代ではないとの考えから大東流の普及を目指したそうです。

その全国行脚のおり、数多くの他流試合や野試合(ストリートファイト)を行い、大東流の実戦性を証明していったそうです。

惣角はもともと剣術でのギリギリの戦いばかり経験していたこともあり、身長150cmと小柄だったにもかかわらず、柔術においても類を見ないほどの強さだったようです。

晩年には北海道を本拠地として活動され、1943年に享年84歳でその人生を全うされました。

大東流の歴史にはいくつかの説がありますが、昨今の研究では武田惣角が編み出したものであろうと言うのが主流で、私個人もそうではないかと考えております。

全国各地で惣角から直接教えを受けた先生方には、合気道の創始者である植芝盛平先生も名を連ねておられ、その後合気道は塩田剛三先生など多数の名人達人を輩出され世界へと広がりました。

武田惣角から直接教授された武田時宗先生、久琢磨先生、佐川幸義先生、堀川幸道先生、山本角義先生、吉田幸太郎先生、植芝盛平先生、細野恒次郎先生、松田敏美先生などのご高名な先生方がいらっしゃいますが、天山道場では堀川幸道先生の流れを汲む大東流をご指導させて頂いております。